カッティングシートの貼り方(ドライ工法/ウェット工法)
シートの貼り方や注意点
シートを貼る場所・シートの種類・大きさにより的確な貼り方を選びましょう。
失敗しない為にも、じっくり読んでから作業して下さい!動画でも解説してます。
ドライ工法(ドライ貼り) | ウェット工法(水貼り) | |
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難易度 | 経験者・プロの方/急いで仕上げたい方向き | 初心者・慎重派の方/時間に余裕がある方向き |
適した種類 | 小さめの文字/ほぽ全種のシート(経験者) | 大物/ベタ面/電飾シート等の半透明シート |
メリット | 短時間の作業ができる | 貼る位置の修正ができる/曲りミスが防げる |
デメリット | 「一発勝負」曲り・シワ発生時は修正不可 | 長時間必要/石鹸水の乾燥まの時間がかかる |
適さない事 | 半透明系シート(ノリ斑が残り透けて見える) | 小文字・細い線は曲がったり粘着力が弱くなる 冬期は適しません(寒冷地で接着力が弱くなる) |
貼り方には主に2通りの方法があります。
ドライ工法
ウェット工法
シートの部品解説
貼り方の手順
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1貼る面の汚れを清掃
貼る面は、ウエス・ワイパーなどを利用してきれいに磨きます。以前のシート糊などの汚れには、アルコールを使用して下さい。ゴミや油分が無いことを確認します。
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2貼る位置を決める
メジャ一定規で位置を決め、マスキングテープや、ダーマートペンでラインや目印を入れましょう。ウェットエ法の場合は、ダーマートペンや布ガムテープの方が良いかもしれません。
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3シートを平らに伸ばす
筒状で配送されたシートは、裏紙・切文字・透明シートが分離して浮き、湾曲しています。必ず全体を中央から外に向けて、透明転写シートに切り文字を圧着させて平らにして下さい。
ここまで「ドライ」「ウェット」共通工程
ドライ工法(ドライ貼り)
小さめ(20cm以下)シートの場合
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4転写シートに移す
台紙から切り文字を透明転写シートに移します。透明シートが貼り付かない場合は、上から擦つて下さい。粘着面に触れたり、ゴミが付かない様に注意して下さい。
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5圧着(端からゆっくり貼る)
全体が一度に貼り付かない様に、片方は持ち上げて浮かせて徐々に貼って下さい。
大きめ・長めのシートの場合
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4位置を合わせ固定
台紙の端1〜3cmを折リ曲げテープで固定。位置を合わせ、貼る面が平らにしたときに曲がっていないかをチェックして下さい。ここが少しでも曲がっていた場合次の段階では修正ができません。
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5圧着(裏紙を剥がしながら)
あわてずにゆっくりとヘラで上下に少しづづ、圧着して空気を抜きます。
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6転写シートを剥がす
透明転写シートをできるだけ、鋭角(180)にゆっくり押しつけながら、スライドさせて剥がして下さい。透明転写シートに切り文字が付いてくる場合は、一度、シートを戻してカを込めて圧着をして下さい。
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7気泡を修正・完成!
気泡ができた場合は、気泡の端に針やカッターの先で小さく穴を開けます。ドライヤーで加熱すると接着力を高めると同時に圧着不良部が容易に発見ができます。ドライヤーシワの場合も暖めながら押さえると、多少改善されます。1〜2ミリの小さな気泡は数日で消えますので、無理せずそのまま様子を見たほうが良いです。
ウェット工法(水貼り)
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4転写シートに移す
シートを裏返して、鋭角(180°) にゆっくりと台紙をスライドさせて、転写シートに切り文字を付けます。小さな文字などは、裏紙に残りがちなので裏紙の上から切り文字を転写シート圧着しなおして裏紙を鋭角にスライドしながら剥がしてください。裏紙はこの時点で不要となります。
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5石鹸水をかける
霧吹きで、貼り付ける面とシートの粘着面全体へ石鹸水をかます。石鹸の泡が付いても大丈夫です。目印がマスキングテープの場合は水で剥がれますのでダーマートペンや布ガムテープの方が良いです。
大きめなシートは誰かに持ってもらい、作業するのがベスト。地面や床に置くとゴミが入り汚れます。屋外で風が強い時など、ゴミが入リやすいので、ご注意下さい。 -
6圧着(石鹸水をかき出す)
石鹸水でシートの糊面がしばらく粘若しなくなリ、位置をずらす事ができます。位習が印通りに決まったら、ヘラで中心から外に向かい石鹸水を押しだします。位匿がずれない様、もう片手で押さえて作業します。
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7乾燥(放置・ドライヤー)
ある程度水分が乾くまで、切り文字部分は粘着しません。気温により左右されます。夏場は早く、冬は時間がかかります。急ぐ場合はドライヤ一で暖めて下さい。
(乾燥時間の目安)
ガラス/ステンレス30分~1日
アクリル板等30分~120分 -
8転写シートを剥がす・完成!
端から転写シートを鋭角にスライドさせながら剥がします。転写シート側に付着いる場合はもうしばらく放置しておきます。
手前に強く引いたリすると文字が取れたり、途切れます。水が乾いていない場合、文字が転写シートに着いたままになりますのでその場合はしばらく時間を置いて下さい。貼ってから1〜2日はまだ、剥がれ易いので、十分乾燥させて下さい。
貼り作業にあると便利な道具
あると便利な道具です。良い仕上がりを目指すには適した道具も必要です。
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スキージ(布付)
ヘラ・プレスタシートを圧着する道具。
(当店で販売中) -
定規
メジャー貼る位置を正確に位置決めする。
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キッチンベーパー
(ウエス)布やティッシュだと繊維が残るのでベストでない。
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ワイバー
ガラス面の掃除に使用します。ガラスに最適。(ホームセンターで販売)
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霧吹き(石鹸水)
水貼リに必須。水500mlに食器用洗剤5〜6滴くらい。
(100円ショッブで販売) -
マスキングテーブ
(布ガムテーブ)貼る位習の目印を付ける。
ドライ貼リでシート固定用 -
燃料アルコール
(シール剥がし)ノリ汚れ等を除去できる。
(薬局で安価で販売) -
スクレイパー
古いシート剥がし・頑固な汚れを除去できる。
【刃物なので注意が必要】 -
カッターナイフ
シートをカットしたリ、気泡に穴を開けたりする必須の道具。
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ダーマートグラフ
ガラス面などにも害ける目印が筈ける便利なベン。
(文具店で販売) -
針
貼った後、シートに気泡が残った場合などの穴開けに必要。
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ドライヤー
水貼りで早く乾燥させる時使用。又シートを剥がす時に必須。
注意すべき事
作業環境・貼り付ける素材により、施工出来ない事や、失敗する場合もあります。
- 作業時の温度(適温15〜25゜/冬期・夏期の作業は要注意)
- 夏期(高温30゜以上)シートが柔らかくなり、貼リ作業ができなくなります。日陰での作業や、屋外で貼る車や看板などは、冷水をかけて冷やしてから作業をして下さい。
- 冬期(気温10゜以下)シートが冷えて粘着力が弱くなる(糊の硬化)ので、ドライヤーなどで、暖めてから貼って下さい。
- 冬期に寒冷地で「水貼り」をした場合、もしくは持ち込んだ場合、シート下に残っている水分が凍り、シートや素材が割れる場合があります。
- 貼れない素材(接着力が十分得られない素材)
- 基材的に不可‥‥「ポリエチレン」/「ポリプロピレン」/「シリコン塗装物」/「フッ素塗装物」
- 粗面の為不可‥‥「ヘアライン金属」/「発砲スチロール」/「ベニア板」/「コンクリート」/「モルタル」/「布生地」
- 「木材」特に、材木・無垢、は水分があり、基本的に貼れませんが、表面を磨きニスや塗料を施した物は貼れる場合があります。
- 「新品のガラス」は表面にオイルや薬品でコーティングされていますので、一度、洗浄しないと貼れない場合があります。
- 剥がれてしまう素材(接羞するが、剥がれる等の恐れがある素材)
- 遊離成分有り‥‥「ターポリン」/渾欠質塩化ビニール」(一時的に貼れますが、時間の経過で剥がれます)
- アウトガス発生‥‥「ポリカーボネート」(気泡が出てきます)
- 下地が破損する素材(貼り作業で仕上がり面を破壊してしまう場合)
- 剥がれ易い「塗装面」や「ベニヤ板」など、透明アプリケーションを剥がす段階でその塗料なども一緒に剥がれます。
- 「アルコール」や「ペイント薄め液」で車や塗装面に付着すると、変色を起こしますので、不安な場合は使用しないで下さい。
- 「網入ガラス」に多くのシートを貼ると、ガラスが熱割れ(ガラスとワイヤーとシートの温度変化での収縮率の違いによる)します。